皆さんはアンリ・リヴィエールをご存知でしょうか?
彼は浮世絵をこよなく愛し自らも浮世絵師として活動したフランスの浮世絵師です。
私もこの芸術家を最近知ったのですが、彼の作品には惹かれるものがあります。
北斎の「富嶽三十六景」に影響を受け「エッフェル塔三十六景」を制作したり、広重らと同様に人々の営みを描いた風景が多く見られる点ですね。

 そんな点を気に入ったのでいろいろ調べたところ、2009年に日本でアンリ・リヴィエール展が開催されていたようでした。
この展示では、日本でよく知られている「エッフェル塔三十六景」以外のアンリ・リヴィエール作品も紹介しているとのこと。
彼の作品を詳しく知りたいと思い、神保町で彼の書籍(図録)を探したけれど見つからず。
しかし、先ほどの展示について調べたところなんと美術館 山口県立萩美術館・浦上記念館でアンリ・リヴィエール展の図録がまだ残っているとのこと。
さっそくお取り寄せし数日後。
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 図録が届きました。
値段自体は2200円とお手頃価格なのにも関わらず、 思っていたよりもしっかりしている図録となっています。
図録の大きな流れとしては以下の通りです。

第一部 カフェ「シャ・ノワール」 初期作品と影絵劇  
 影絵に使用された亜鉛版の人形、影絵劇を絵本のようにまとめたリトグラフ集、初期のエッチングの紹介

第二部 ブルターニュ 自然の風景
 広重の「東海道五十三次」などに影響されて手がけたブルターニュでの自然風景集

第三部 世紀末パリ
  北斎が「富嶽三十六景」に影響された、近代化する都市の風景 「エッフェル塔三十六景」シリーズ

第四部 リヴィエールと日本
 パリ万博で事務官長をつとめた林忠正から依頼された壁画の下絵、リヴィエールの浮世絵コレクション

第五部 近代日本絵画とリヴィエール
 ジャポニスムが引き起こした波紋の周辺で生み出された、日本の版画作品の紹介

 まだ詳しく図録を見切れていませんが、とても中身の濃そうな内容みたい。
浮世絵好きでフランスのポスト印象派が好きな方はすごく楽しめそうです。
図録もまだ残っているみたいなので、欲しい方はお急ぎを。