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 初笑いは浮世絵でいかかでしょうか。
現在原宿にある太田記念美術館で開催されている「お笑い江戸名所」を観にいってきました。
こちらの展示は歌川広景の「江戸名所道戯尽」を主に展示したものになっていて、「江戸名所道戯尽」は幕末の江戸を舞台して、騒いだり転んだりする人々をおもしろおかしく描いた作品となっています。


そもそも歌川広景とは?
 広景はそもそも謎の多い人物として知られているようで、名前からわかるようにおそらく広重の門人であろうと言われております。
謎に包まれている理由としては、2年8ヶ月という活動期間の短さも原因のようです。 
彼の作品は現在65点の錦絵が確認されていて、そのうち50点ほどが代表作の「江戸名所道戯尽」となっています。
他の活動としては、国貞の「東都富士三十六景」の背景を担当していたようです。
後年の活動については不明ですが、明治3年(1870年)から7年(1874年)に活動した昇斎一景と同一人物とする説もあるみたいですね。
広景の「江戸名所道化尽」と一景の「東京名所三十六戯撰」が似ている点からそう言われているようですが、その真実は謎のままです。

感想
 展示は「江戸名所道戯尽」を中心としたものになっていて、時折、広景が参考にしたであろう広重や北斎の作品も展示されている形となっていました。
参考といっても模写に近い形で描かれているのが印象的でしたね。
模写内容は人物のみであったり背景だけであったりと様々でした。 
浮世絵は、いろいろなものをパクるのが当たり前なのでだと改めて感じましたね。
  「江戸名所道戯尽」は、現代でも通じるクスッと笑ってしまう出来事を描いた作品でした。
笑いは、酔っ払って騒いだり、狐に化かされていたり、釣り糸が顔に引っかかったり、ぶつかって転けたりと様々。
こういった呆れてしまうような笑いはいつの時代も変わらないなのだとちょっと安心したりもしましたね。
 展示のラストには、同一人物と揶揄されている昇斎一景の作品も展示されていて、鑑賞者に広景と一景の館系について考えさせるような形で締めくくられています。

 みなさんもいつの時代も変わらない笑いで初笑いでもいかがでしょうか?